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まとも

歌や本の感想・考察など 今は宇多田ヒカル中心です

宇多田ヒカル「道」の歌詞に込められた意味について~「道」とは人生である

宇多田ヒカルさんがことし9月28日に、およそ8年ぶりにニューアルバム「Fantôme」をリリースしました。

当日に買いましたがすごく良かったです!!

 

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その一曲目に収録されている「」について今回は考察したいと思います。

 

宇多田ヒカルさん自身も出演しているサントリー天然水のCMで流れる曲です。

サントリー天然水『水の山行ってきた 南アルプス』篇 60秒 サントリー CM - YouTube

 

 「道」というタイトル通り歩き出したくなるくらい、テンポが小気味いい曲。

歌詞の内容も前向きで、アルバムの一曲目にぴったりだと思いました。

「道」というのは人生の比喩でしょう。

 

私の心の中にあなたがいる いつ如何なる時も

一人で歩いたつもりの道でも 始まりはあなただった

 

というサビが印象的です。

 

もちろん「あなた」というのは歌い手の宇多田ヒカルにとっては母・藤圭子さんのことでしょう。

そして、これから続く「奇数番号の曲」…例えば「花束を君に」や「真夏の通り雨」、「桜流し」の「君」や「あなた」はすべて藤圭子さんのことを指しているのが歌詞の端々から感じ取れます。

(むろん解釈は自由ですから、わたしたち聴き手はそれぞれの「あなた」に当てはめればよいのですが。)

 

黒い波の向こうに朝の気配がする

悲しい歌もいつか懐かしい歌になる

見えない傷が私の魂彩る

                (分かりやすいよう、下線を引かせていただきました)

 

…一番Aメロはわかりやすく前後で「陰」と「陽」が対比されていますね。

ULTRA BLUE」収録の「This is Love」でも同じような手法が使われています。

「消えない星」というのはお母さんのことでしょうか。ここでの「星」は宇多田ヒカルの人生の希望であり、同じく歌手としての目標という感じです。

 

転んでも起き上がる 迷ったら立ち止まる

 

ここで人生という「道」のイメージが湧きます。苦難でめげてもいつか、それこそ道ばたの雑草のように復活する。迷ったら、突き進むより一旦立ち止まって頭を冷やす。

そして問う あなたなら こんな時どうする

つまり、「あなた」は現実にはもういないということですね。でも答えを聞きたい。

二番の歌詞で「目に見えるものだけを信じてはいけないよ」とありますが、つまり「目に見えるこの現実にいなくとも、心にいるお母さんを信じている」という意味でしょうか。

 

なんで答えを聞きたいのかというと…サビにつながります。

「私の心の中にいつもあなたがいる」からですね。あなたが現実にいなかったとしても、ずっと拠り所にしているということです。

宇多田ヒカルは15歳という若さで「Automatic」でデビュー。それからはずっと「一人で歩いたつもり」でした。二番の「調子に乗ってた時期」ですねw

そんな宇多田ヒカルでなくとも、そういったスタンスの人が多いかもしれません。

でもこの命はもともとどこからきたのかというと、皆ひとしくお母さんのお腹の中からですよね。それが「始まりはあなただった」というフレーズの意味でしょう。

もちろん人生というのは「自分」ひとりが主人公ですし、あくまで自分自身で切り拓くものです。

でも、「ひとり」であっても「孤独」か?といえばそうでもないと思います。

 そして「ひとりで生きてる」か?といえばそれは全く違って、人はさまざまなつながりによってはじめて生きることができます。そうしてその支えによって自分の人生を切り拓いていくのです。

 

そういった宇多田ヒカルの人生観が随所にきらめいています。

色々なことを乗り越えた今だからこそ歌える人生の歌なんでしょう。